一度触れたら欲しくなる。自転車用バックパック Osprey(オスプレー)取扱開始!

2025年10月23日by NishimuraDaisuke
Osprey(オスプレー)のバックパック。自然の中で冒険と自由を象徴するイメージ。
Ospreyが描く“冒険と快適の融合”。若い頃に憧れたブランドの哲学を体現する象徴的なビジュアル。

最初はまったく乗り気じゃなかった――それが正直な出発点。けれど、サンプルに触れて、背負って、ライドで使ったら「これ、ください。ボク使います」「これ、売りたい」に変わりました。Trek Factory Racingの公式バックサプライヤーでもある Osprey(オスプレー)。アウトドア好きなら誰もが一度は憧れる、あのブランド。オンラインストアと所沢店で取扱スタートです!


1. きっかけ:正直、最初は全然乗り気じゃなかった

「オスプレー興味ない?」――輸入元であるロストアローさんをご紹介くださったのは、僕(西村)が以前勤めていた会社の元上司。とはいえその時点では、バックパックの取り扱いブランドを増やす必然性が見えず、国内のハイドレーションバッグ市場も大きくはない。自転車用バックパックも(ドイターのような名作はあるにせよ)勢いに陰りがあるように感じていて、「今、わざわざ増やす?」「お会いしても期待に応えられない…」が本音でした。

Osprey(オスプレー)のロゴ
Osprey(オスプレー)の最新ブランドロゴ。

転機は、実物に触れた瞬間。ハーネスの作り、背面の通気、ポケットの番地割り、ジッパータブのつまみやすさ、そして荷重が身体のどこに乗るかという設計思想。細部の精度がとにかく高い。アウトドアショップ時代からCamelBakのM.U.L.E.やH.A.W.G.、mont-bellのサイクールパック、DeuterのAttackなど“ハイドレーション対応の自転車用バックパック”をMTBライドでいろいろ使ってきた僕が、思わず「なんでもっと早く試さなかったんだろう」と膝を打ちました。

Insta360 X5の見えない自撮り棒やバッテリー、携帯工具の収まり、登りでの重心の落ち着き、ダンシング時のブレの少なさ、コーナリングでの一体感。脱いだウィンドシェルを雑に突っ込んでも他ポケットの動線を邪魔しない設計。余分なストラップがピロピロしないノンストレス感。「使いやすいポケットは機能美」を地で行く作りで、気づけば物欲と「これ売りたい」の気持ちが同時に爆発していました。


2. オスプレーというブランド:クラフトマンシップと快適さ

Ospreyは僕と同い年。1974年、カリフォルニア州サンタクルーズで創業者マイク・プフォテンハウアーが自宅のミシンで一つずつ仕立てたところから物語は始まります。原点はカスタムメイド。ユーザーの体格や用途に合わせる過程で、同社は「フィット」と「荷重分散」への感性を徹底的に磨いてきました。

オスプレー創業当時の工房。初期モデルを手縫い・縫製する職人たちとミシン。ブランドのクラフトマンシップを象徴する一枚。
創業当時の工房にて。細部まで手を尽くすクラフトマンシップは、いまもOspreyのバックパックづくりの核にある。

その哲学を一言で言えば、「背負うことを忘れる快適さ」。背面メッシュやフレームのしなり、ヒップベルトの“面”で支える当たり、ショルダーハーネスの角度、ポケットアクセスまで、動いている最中の使いやすさから逆算。登山やトラベルだけでなく、自転車・通勤・タウンユースにも自然に広がっています。

環境配慮や修理体制も特徴。リサイクル素材やPFASフリー素材の採用、長寿命設計、そして日本正規代理店ロストアローの修理体制。「買って終わり」ではなく「直して長く使う」前提で設計されている骨太さに、僕は強く惹かれました。

👉 Osprey ブランドストーリー(ロストアロー公式)


3. ハイドレーションの進化と、Ospreyが導き出した“新しい快適”

点滴バッグと長い靴下と洗濯バサミ――ハイドレーションの原点は1989年、走行中に“止まらず”補給できるよう工夫されたところから始まります。トレイルやマラソンライドの現場で、チューブに口を添えて飲めるからリズムが崩れにくく、脱水も起きにくい。僕は2000年ごろからCamelBakのM.U.L.E.やH.A.W.G.、DeuterのAttack等に散々お世話になってきました。

👉 先に水分補給の基礎を押さえたい方は:サイクリング中の正しい水分補給ガイド

その上で感じたOspreyの一段上は、背負い心地・通気・荷物整理・重心設計・細部の操作性の総合点。ペダリングの上下動や前傾姿勢、汗の抜け方に合わせて、ハーネスの当たりや背面テンション、ストラップの引き量、ヒップベルトの包み込みを最適化。さらに「目をつぶっても手が届く」ポケット番地割りで、工具、CO₂、補給、鍵、スマホ、レインの居場所が迷子にならない。結果、ライド中の小さなストレスが驚くほど減ります。

👉 ハイドレーションの原点(CamelBak 日本公式)


4. バイクパッキングとEscapist:Ospreyが描く新しい旅のかたち

Osprey Escapistを装備したバイク。乾いた草原の中、自由な旅の雰囲気を漂わせるシーン。
Escapistシリーズを装備したバイクパッキングスタイル。軽量・耐久・防水を兼ね備え、どんな道も自分のペースで進める自由を形に。

旅のしかたが多様化し、「自転車×旅」は定番化。サドルバッグ・フレームバッグ・ハンドルバーバッグで車体に荷を分散しつつ、オンボディ(背負う)は最小限に。OspreyのEscapistは、この文脈に「耐久・防水・実用配置」で切り込むシリーズです。

  • RFウェルディングでシームの耐水性を強化
  • リサイクル素材で環境配慮と耐久性の両立
  • フレームやトップチューブへの取り付け自由度
  • オンボディとオンバイクの役割分担がしやすい

国内のバイクパッキングはニッチですが、郊外では“週末ミニツーリング”“自転車キャンプ”の裾野が静かに広がっています。「過度に背負わない」を前提に、必要最小限だけは背負う。このバランス設計で、Ospreyの“背中の作り”が効いてきます。


5. 実走レビュー:細部が“ライド”を変える

Ospreyのバックパックを実走テスト。ハーネスや背面の通気、荷重分散など細部の作りがライド中に活きる様子。
実走でこそ分かるOspreyの強み。ハーネスの当たり、背面の風抜け、重心の安定感まで“走りながら”快適を実感。
  • ハーネスとヒップベルトの「面」:線で食い込まず面で受ける。2Lの水を背負っても特徴的なショルダーハーネス(Raptor系)は食い込みにくく、肩・鎖骨・腰の負担分散が巧い。余分なストラップもピロピロさせない。
  • 背中の風通し:トレイルの登り返しで差が出る。汗の“溜まり”が少ないぶん消耗しにくく、体温上昇を抑えてくれる。
  • ジッパータブとポケット:輪っかが大きくウィンターグローブでも扱いやすい。番地割り的配置で“何がどこ”か迷わない。信号待ち数十秒でも用が済む。
  • 重心の安定:ダンシングや連続コーナーでも“ひと拍遅れの揺れ”が少ない。揺れを抑え込む余計な動作が不要で、バイクの重心だけに集中できる。
  • ヘルメットホルダー/ライト台座/レインカバー(Syncro):「あると助かる」を最初から前提設計。後付け感がない。
MTBトレイルを躍動的に走るライダー。Ospreyのバックパックがコーナリング中も安定している様子。
コーナーで荷重が大きく変わる局面でも、パックの揺れは最小限。重心の安定がライドの集中力を支える。

Ospreyのバックパックは、“背負っていることを忘れたい派”“ライドの邪魔をされたくない派”に刺さる完成度。Raptor 14とSyncro 12の詳細インプレは、別記事で深掘り予定です。


6. 店頭ラインナップのイメージ(仕入れ検討中)

モデル 主な特徴 おすすめ用途
Raptor 14 ハイドレーションリザーバー対応(2.5L)、工具ポケット、ヘルメットホルダー MTB、トレイルライド、エンデューロ
Syncro 12 ハイドレーションリザーバー対応(2.5L)、高通気AirSpeed背面、トルソー高調整、軽量、ヘルメットホルダー、レインカバー CROSS、ROAD、日常ライド、ロングライド、ヒルクライム、夏場の通勤通学
Metron 24 PCスリーブ、レインカバー、リフレクター 自転車通勤・街乗り、デイユース

7. Ospreyの信頼:プロが選び、街でも愛される理由

海外レビューでも「耐久」「収まり」「防水」「背面の安定」といった実用性が高く評価されがち。Trek Factory Racingの遠征バッグ提供など、“現場で回る”実直な作りが信頼を得ています。派手さではなく、道具としての堅さ。僕自身の数回のライドでも、その印象は一貫していました。

海外での評価

  • Freehub Magazine:「AirScapeバックパネルとAirmeshヒップベルトが抜群の通気性と安定感を生む」 – レビューを見る ↗
  • Peak Mountaineering:「必要な荷物をすべて飲み込みながら、一日中快適で安定した背負い心地」 – レビューを見る ↗
  • ActiveGearReview:「登りでも下りでも、コーナリングやジャンプ中でもブレない。走っているとパックの存在を忘れるほど」 – レビューを見る ↗
  • RoadBikeRider:「MTB・バイクパッキング両対応の高バランス設計」 – レビューを見る ↗
  • eMTB Forums:「収納力とハイドレーションの使いやすさが圧倒的」 – スレッドを見る ↗

8. 本当に必要な人に届けたい、Ospreyという選択

Ospreyの最新作。
“背負うことを忘れる”という哲学をそのまま体現するOspreyの最新作。

気づけば、「これはいいな」と素直に思えるバックパックに久しぶりに出会いました。派手さはないけれど、使うたびにじわじわと信頼が増していく──そんな道具です。

だからこそ、まずは身近なところから。自分たちで実際に背負い、ライドに持ち出し、その体験を共有していきたい。誰かのライドが少し快適になったり、「これ欲しかったんだ」と感じてもらえたら、それが一番うれしい。

Ospreyのバックパックを通じて、少しずつ共感してくれる仲間を増やしていけたらと思っています。


FAQ:よくある質問

Ospreyを自転車で選ぶときに、よくいただく疑問にお答えします。

Q1. ハイドレーションリザーバーは付属しますか?
A. モデルにより異なります。RaptorとSyncroは付属、通勤系のMetronは非付属など、商品ページでご確認ください。ウォーターボトルの約4倍の水を運べるので、発汗量が多いトレイルやロンググラベル、補給地点が少ないエリアで重宝します。
Q2. 背面の通気性は本当に違いが出ますか?
A. 長い登りや激しいアップダウン、夏場に差が出ます。汗の滞留が減り、体温上昇や体力消耗を抑えられる体感があります。
Q3. MTBとロングライド、どちらに向いていますか?
A. どちらにも対応します。MTBは揺れにくさと重心安定、ロングライドは荷重分散力と“目つぶりアクセス”の収納設計が効きます。
Q4. 修理やパーツ交換は可能ですか?
A. 日本正規代理店(ロストアロー)経由で修理対応が可能な場合があります。バックルやジッパーなどの補修はモデル・状態により可否が異なります。

9. さいごに:背負うことを忘れる瞬間を、ぜひ

良いバックパックは、道具を意識させない。登りで息が上がっているとき、信号待ちで小物を出すとき、朝の通勤で気持ちを切り替えるとき。そこにストレスがないことは、思った以上に毎日の積み重ねに効きます。

最初は全然乗り気じゃなかった僕が、今は「買うと決めている」「売ってみたい」と素直に思っている。それくらい、背負ってわかる作り。よければ店頭で背負ってみてください。まずは所沢から、オスプレーの良さを体験してみてください。いいバックパックです。

👉 OSPREY Collection ページ
👉 自転車用バックパック Collection ページ
👉 ハイドレーション パック・リザーバー

西村 大助(Nishimura Daisuke)

西村 大助(Nishimura Daisuke)

バイクプラス共同創業者ショップ経験30年、MTB好き歴38年

1980年代後半にMTBに熱中し、アルバイト時代に老舗アウトドアブランドの自転車売場を担当。この頃に自転車整備士資格を取得し、本格的に自転車業界でのキャリアを歩み始める。2000年には外資系アウトドア専門店で専任メカニックとして勤務。その後、国内大手アウトドアメーカーの直営店で自転車売場を担当し、自転車取り扱い店舗拡大のためのスタッフ育成や販売体制の基盤づくりに貢献。 2003年には米国バーネット・バイシクル・インスティチュートへ留学し、体系的な整備技術を修得。帰国後は専門誌での記事連載やメンテナンスDVD出演などを通じて情報発信にも携わる。2007年にバイクプラスを共同創業し、全7店舗の立ち上げに関わる。 現在はオンラインストア運営やブログを中心に活動し、「専門性は高く、でも初心者にとって敷居は低く」を信条に、自転車のあるライフスタイルを提案している。

専門/得意分野
  • マウンテンバイク/ロードバイク/クロスバイク/eバイクの販売整備およびeMTBのカスタム
  • 米国メカニックスクールで学んだ体系的な整備技術
  • ショップ運営とスタッフ育成
  • サイクリング文化の普及活動
  • e-MTBでのトレイル/グラベルライド/キャンプ
保有資格
  • 1997年 自転車組立整備士合格
  • 1997年 自転車安全整備士合格
  • 2003年 Barnett Bicycle Institute Master Mechanic 3.0 Certified